[リーダーシップ]ジョン・コッターの変革8段階プロセス

AIやクラウドITへの対応、従業員の働き方問題など日本企業の変革が求められています。
種の起源で有名なダーウィンも、「強い者ではなく、変化に適用できる者が生き残る」と述べていますが、大きい組織になればなるほど変革の阻害要因も多く、組織の変革を成功させるためには強大なリーダーシップが必要になることでしょう。

しかし、ジョン・コッターは大規模変革プログラムにおいて、その大半が、十分な計画の策定がなされなかったことが重大な失敗要因であると述べ、その失敗要因に対処するために8段階の改革プロセスを提唱しました。
これは、変革におけるリーダーシップの性質が、カリスマ性ではなくテクニカルな部分に占める割合が大きいことも示しています。

ジョン・コッターの変革8段階プロセス

1.危機意識を生み出す
変革によって影響を受ける全ての人に、現在組織が直面している脅威や危機について共有する。

2.変革を推進するための連携を生み出す
変革を実行するための、十分なスキルや知識、権限を持った構成員でチームを編成する。

3.ビジョンと戦略を策定する
変革を共有するための、ビジョンと戦略について策定する。

4.ビジョンと戦略を発信する
ビジョンと戦略について組織の多くの人間に発信する。

5.阻害要因を排除する
ビジョンと戦略を発信したことにより、阻害要因が明らかになってくる。
反対勢力をできるだけ、引き入れる努力は必要だが、場合によっては変革プロセスから排除する必要もある。

6.短期的成功を実現させる
いくつかの短期的な成功を発見し、関与者に褒賞を与える。
関与者のモチベーションを高めることで、変革スピードを早めることができる。

7.短期的成功を足がかりにする
短期的な成功を足がかりに、長期的成功に向けて焦点を合わせていく。

8.変革を組織の文化に定着させる
組織の各階層のリーダーに変革を根付かせ、後継者を育成することにより変革が長期的な組織文化の中に定着する。




[コミュニケーション]会議の目的や性質に応じた種類を意識しよう。

「会議は時間の無駄」と思っている経営者の方々は非常に多いと思います。
それは、事実、会議で時間を浪費しているからであることに間違いはありません。

しかし、会議の目的や性質を参加者がしっかりと理解していれば、より生産性が高くクリエーティブな時間になる可能性もあります。
経験から筆者は、会議には大まかに、以下の3種類の会議があると思っています。

1.意思決定会議
組織が意思決定を行うための会議です。複数の意思決定者が組織の意思決定を実施するために議題に対して議論を実施します。
必ず、議題が存在しますので、次第を用意し、それぞれの議題に対して参加者が事前に共通の事実認識ができるような資料を用意することが成功のポイントです。
企業においては、取締役会などの会議がこれに該当します。

2.情報共有会議
チームとしては情報共有。責任者としては、進捗確認や意思決定に必要な情報を吸い上げることを主な目的としています。
現代は情報化社会ですから、プロジェクト管理系クラウドITサービスを利用すれば情報共有としての会議も必要なくなるかもしれません。
企業においては一般的に営業会議などがこれに近いと思われます。

3.ブレインストーミング
集団で自由にアイデアを出すことによって、相互作用を引き出し、より創造的なアイデアを得るための会議手法です。
ブレインストーミングの4大原則は「相手の意見を批判しない」「自由に意見を出す」「アイデアの質より量を重視する」「アイデアを結合し発展させる」です。

また、どの会議においても共通して議事録の作成はとても重要です。単に議論や報告をしただけでは、参加者の認識にズレが生じている可能性が高いからです。
議事録を文書で作成し、参加者に必ず配布されることをお勧めします。

会議はたとえ短い時間でも、複数の社員が貴重な時間を割いて招集されています。
議長として参加者を招集される役職者は、会議の目的と性質について十分に理解した上で参加者を招集し、意義のある会議を成功させていただければと思います。




[モチベーション]社員の「やる気」を出させるって具体的にどういうこと?

組織のマネジメントにおいて、「モチベーション」という言葉がしばしば挙がりますが、懐疑的な印象を受けることもあります。
日本では、「モチベーション」とは「やる気」と捉えられていることもありますが、本来の意味では「動機」や「目的意識」と訳されます。

経営における組織マネジメントとしては、一人一人の社員の「動機」や「目的意識」に対して、適材適所のポジションや職務分担、インセンティブを供与することによって「やる気」が生み出され、より高い成果を生み出すことができると考えられます。

しかし、一人一人の社員の「動機」や「目的意識」を理解することは、マネージャーにとって非常に困難であるようにも思えます。
そんな時、社員の「動機」や「目的意識」を「マズローの欲求階層理論」に当てはめて考えてみると、社員の「動機」や「目的意識」を理解しやすくなるかもしれません。

マズローの欲求階層理論
マズローの欲求階層理論

マズローの欲求階層理論では、人間は生存欲求に始まり、自己実現欲求の達成に向かって絶えず成長していくものであるということが述べられています。

つまり、この理論を前提とするのであれば、社員の「やる気」が低下している時に、その社員がどの欲求段階で停滞しているのかを理解することで、業務環境において何が足りないのか、何を供与することができるのか具体的に考えることができます。

例えば、生存欲求・安全欲求段階にいる社員に対しては、ベーシックインカムや公平性が担保された所得のインセンティブプランが必要であるし、逆に、社会から賞賛されるような素晴らしいやりがいのある仕事は求めてはいないのかもしれません。

また、注目すべきは、それぞれの人間が成長するとともにその段階過程を乗り越えていくということです。
それぞれの段階過程を乗り越えようとしている人間を、特定の段階に留めておけば、社員は自己成長を求めて組織を去っていくかもしれません。

社員は単にサラリーを稼ぐために労働をしているのではなく、常に人間として成長過程を歩んでいるということを経営者やマネージャーは理解しなければなりません。

人財マネジメントに携わる方は、基本的な理論として利用されると重宝するかもしれません。




[Corporate Branding]「コーポレートブランディング」って何?

「コーポレートブランディング」とは企業の価値を高める活動全般のこととして認識されていますが、具体的にはどのようなことでしょうか?
「コーポレートブランディング」について考える前に、まずは企業の価値とは誰にとっての価値なのか明確に認識しておく必要があります。
企業には主に、3種類のステークホルダーが存在します。

1.顧客
2.株主・金融機関等の資金調達先
3.従業員やその家族、または採用候補者

上記に挙げた、ステークホルダーに対して価値を高めていくことが企業の価値を高めていくことであると言えます。

価値を定義するためには概念として言語化・視覚化することが重要です。
ステークホルダーに対して共通の価値を言語化・視覚化し価値観のコンセンサスを形成していく活動が「コーポレートブランディング」であると定義することができます。

ステークホルダーに対して共通の価値が言語化・視覚化できれば、リレーションシップの構築過程でのミスリードやミスマッチは限りなく少なくなるでしょう。

また、それぞれのステークホルダーとのリレーションシップを構築する独自の手段として、マーケティングやIR、リクルーティングなどの活動がありますが、これら独自の活動との相対性や関係性も考慮してコーポレートブランディングを実施していくことが重要であると言えます。

中小企業にコーポレートブランディングは必要か?という議論がありますが、当社では、企業を成長させる意思のある経営者の方には是非コーポレートブランディングに取り組んでいただきたいと考えます。

大企業のコーポレートブランディングはステークホルダーが多いため、コンセンサスの形成に莫大なコストがかかりますが、中小企業であれば比較的容易にコンセンサスを形成することができるため、大企業のコーポレートブランディングよりもコストパフォーマンスが良いと考えるからです。

「ブランド」や「ブランディング」という言葉が氾濫しているように思えますが、いわゆる「ブランドマーケティング」と「コーポレートブランディング」は明確に区別して考える必要があるでしょう。