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[コミュニケーション]会議の目的や性質に応じた種類を意識しよう。

[コミュニケーション]会議の目的や性質に応じた種類を意識しよう。

「会議は時間の無駄」と思っている経営者の方々は非常に多いと思います。
それは、事実、会議で時間を浪費しているからであることに間違いはありません。

しかし、会議の目的や性質を参加者がしっかりと理解していれば、より生産性が高くクリエーティブな時間になる可能性もあります。
経験から筆者は、会議には大まかに、以下の3種類の会議があると思っています。

1.意思決定会議
組織が意思決定を行うための会議です。複数の意思決定者が組織の意思決定を実施するために議題に対して議論を実施します。
必ず、議題が存在しますので、次第を用意し、それぞれの議題に対して参加者が事前に共通の事実認識ができるような資料を用意することが成功のポイントです。
企業においては、取締役会などの会議がこれに該当します。

2.情報共有会議
チームとしては情報共有。責任者としては、進捗確認や意思決定に必要な情報を吸い上げることを主な目的としています。
現代は情報化社会ですから、プロジェクト管理系クラウドITサービスを利用すれば情報共有としての会議も必要なくなるかもしれません。
企業においては一般的に営業会議などがこれに近いと思われます。

3.ブレインストーミング
集団で自由にアイデアを出すことによって、相互作用を引き出し、より創造的なアイデアを得るための会議手法です。
ブレインストーミングの4大原則は「相手の意見を批判しない」「自由に意見を出す」「アイデアの質より量を重視する」「アイデアを結合し発展させる」です。

また、どの会議においても共通して議事録の作成はとても重要です。単に議論や報告をしただけでは、参加者の認識にズレが生じている可能性が高いからです。
議事録を文書で作成し、参加者に必ず配布されることをお勧めします。

会議はたとえ短い時間でも、複数の社員が貴重な時間を割いて招集されています。
議長として参加者を招集される役職者は、会議の目的と性質について十分に理解した上で参加者を招集し、意義のある会議を成功させていただければと思います。




[G Suite]Googleが2020年7月6日からG Suite 向けにGoogle Currentsをリリース

[G Suite]Googleが2020年7月6日からG Suite 向けにGoogle Currentsをリリース

Googleは、2020年7月6日からCurrentsの一般提供を開始することを発表しました。

Gurrentsの概要
現在、ベータ版でリリースされているCurrentsは、組織全体のディスカッションや交流を可能にし、全員に情報を伝達し、従業員とやり取りする機会をリーダーに提供する G Suite アプリです。
Currents は G Suite 向けの Google+ に代わるアプリで、新しいデザイン、操作性、一連の機能を備えています。ベータ版に登録すると、組織の既存の Google+ コンテンツはすべて Currents に自動的に移行されます。

Gurrentsの利点
大規模なアイデア交換:
Currents を使用すると、有意義なディスカッションを簡単に行うことができます。組織全体にわたってリーダーと従業員がアイデアを交換したり、受信トレイを大量のメールで埋め尽くすことなく他のユーザーからの貴重なフィードバックや意見を集めたりできます。
Currents では、簡単にコンテンツを作成できます。ユーザーは簡単に自分の投稿にタグを付けたり、関連するファイルや画像を添付したりすることができます。
ユーザーが投稿すると、他のユーザーは同じ場所からコメントの投稿、フィードバックの送信、質問を行えます。
個々のユーザーは、自分の投稿の統計情報を追跡することもできます。
また、Currents を利用することでリーダーは従業員とより直接的に交流できるので、皆の意向を確認し、何が重要であるかを把握できるようになります。
ホーム ストリームでリーダーの投稿を優先付け、組織全体での認知度を高め、意見の調整を促すことができます。

ユーザーとコンテンツをつなげる:
Currents では、従業員の役割や関心に合わせてパーソナライズされた、有益でタイムリーなコンテンツが表示されます。従業員に適切なコンテンツへのアクセス権を与えることで、従業員と組織のつながりを維持し、より多くの学習機会を生み出すことができます。
コンテンツは時間が経過しても Currents に残っているため、ユーザーは後からでもその内容を確認できます。
タグやストリームを使用して、関心のあるコンテンツを簡単に見つけられます。
ホーム ストリームのコンテンツは関連性の高い順に並べられているので、ユーザーにとって最も重要なコンテンツが優先して表示されます。また、コンテンツを時系列順に並べ替えることができます。

簡単な管理と整理:
管理者は対象とする従業員グループや組織全体に対して特定のコンテンツをすすめるカスタムストリームを作成し、組織内のディスカッションを具体化することができます。また、管理者は使用状況を追跡する統計情報を用いてプラットフォーム全体のユーザーの反応を評価し、どのコンテンツが組織全体で注目されているのかを確認できます。
管理者はコンテンツ管理者と呼ばれる新しい役割に、コンテンツ管理の責務を委任できます。
コンテンツ管理者は、カスタム ストリームの作成、タグの管理、リーダーの定義、コンテンツの管理、統計情報を用いた使用状況とユーザーの反応の追跡を簡単に行うことができます。

Googleは2019年4月から、一般ユーザー向けGoogle+の提供終了に伴い、Currentsベータ版のリリースを発表していた。




[G Suite]会社連絡先情報などの新しい企業向けセキュリティ機能

[G Suite]会社連絡先情報などの新しい企業向けセキュリティ機能

ガートナーの調査によると、会社で個人の情報端末を利用している従業員は2/3以上に登ることがわかりました。
G Suiteを提供するGoogleでは、G Suiteにおけるモバイル管理機能に加え、管理対象の会社連絡先情報に関する機能を含む最新のiOS機能が搭載されました。

G Suiteの管理者は、管理対象の会社連絡先情報を各ユーザーの端末と同期させることが可能となりました。
これにより、管理対象のユーザー端末では以下のことが可能となります。

・MDM の設定時に連絡先情報の設定を簡単に行えます。iOS 端末がコンプライアンスに準拠した時点でそのユーザーの会社の連絡先情報が自動的に同期され、コンプライアンスに違反した時点で利用できなくなります。

・ネイティブ iOS 電話アプリを使って、グローバル アドレス一覧(GAL)から連絡先情報を検索して発信できます。また、ネイティブ iOS メール、カレンダー、連絡先アプリでも GAL の連絡先情報の検索が可能です。

・会社連絡先情報に登録されている連絡先から着信を受けた場合、発信者番号通知がサポートされます。

・組織のユーザーに 2 段階認証プロセスが義務付けられている場合や、サードパーティの SSO プロバイダをご利用の場合は、ユーザーが iOS 端末上の会社の連絡先情報にアクセスする際、アプリのパスワードを使用する必要がなくなります。

・管理者がアカウントをブロックした場合や、アカウントをワイプした場合、そのユーザーは会社連絡先情報を利用できなくなり、GAL にもアクセスできなくなります。




[リーダーシップ]ジョン・コッターの変革8段階プロセス

[リーダーシップ]ジョン・コッターの変革8段階プロセス

AIやクラウドITへの対応、従業員の働き方問題など日本企業の変革が求められています。
種の起源で有名なダーウィンも、「強い者ではなく、変化に適用できる者が生き残る」と述べていますが、大きい組織になればなるほど変革の阻害要因も多く、組織の変革を成功させるためには強大なリーダーシップが必要になることでしょう。

しかし、ジョン・コッターは大規模変革プログラムにおいて、その大半が、十分な計画の策定がなされなかったことが重大な失敗要因であると述べ、その失敗要因に対処するために8段階の改革プロセスを提唱しました。
これは、変革におけるリーダーシップの性質が、カリスマ性ではなくテクニカルな部分に占める割合が大きいことも示しています。

ジョン・コッターの変革8段階プロセス

1.危機意識を生み出す
変革によって影響を受ける全ての人に、現在組織が直面している脅威や危機について共有する。

2.変革を推進するための連携を生み出す
変革を実行するための、十分なスキルや知識、権限を持った構成員でチームを編成する。

3.ビジョンと戦略を策定する
変革を共有するための、ビジョンと戦略について策定する。

4.ビジョンと戦略を発信する
ビジョンと戦略について組織の多くの人間に発信する。

5.阻害要因を排除する
ビジョンと戦略を発信したことにより、阻害要因が明らかになってくる。
反対勢力をできるだけ、引き入れる努力は必要だが、場合によっては変革プロセスから排除する必要もある。

6.短期的成功を実現させる
いくつかの短期的な成功を発見し、関与者に褒賞を与える。
関与者のモチベーションを高めることで、変革スピードを早めることができる。

7.短期的成功を足がかりにする
短期的な成功を足がかりに、長期的成功に向けて焦点を合わせていく。

8.変革を組織の文化に定着させる
組織の各階層のリーダーに変革を根付かせ、後継者を育成することにより変革が長期的な組織文化の中に定着する。




[モチベーション]社員のモチベーションを構築する要素

[モチベーション]社員のモチベーションを構築する要素

マズローの欲求階層理論では、社員の成長過程に応じた欲求の変化について触れましたが、今回はハックマンとオールダムの職務特性モデルを用いて、人はどのような職務に満足を得るのか、企業の職務を設計する上での普遍的な動機付けについて言及してみたいと思います。

ハックマンとオールダムは、従業員の動機づけについて以下の3つの心理状態に基づく職務の遂行からもたらされるとしています。

1.有意性
従業員はその職務に意味があると認識していること。

2.責任
従業員はその職務に対して、自身が適切であるとみなすよう計画及び実行できる十分な裁量を持っていること。

3.フィードバック
従業員はその職務がどの程度有効であったのかどうか認識できること。

また、上記の心理状態を補完する上で以下の5つの職務性質が重要であるとしています。

1.技能多様性
職務の達成において、どれだけ多様なスキルや技能を必要とするか。

2.タスク完結性
職務プロセスを完結することにより、職務の意味を認識することができます。

3.タスク重要性
職務の重要性について認識できること。

4.自律性
意思決定の裁量を与えることで、職務に対しての責任を自覚する。

5.フィードバック
従業員はその職務がどの程度有効であったのかどうか認識できること。

特筆すべきは、上記に挙げた従業員の動機付けにおける心理状態の構築は、分業化や専門化などによる組織的な生産性向上とは矛盾している点にあります。

組織的な生産性向上と、従業員の動機付けを強める施策はバランスをとって実施することが重要です。
これは、一般的な大企業と中小企業での従業員のモチベーションの違いにも現れているようにも思えます。

ハックマンとオールダムの職務特性モデルをベースに「大企業病」という概念について分析してみるのも面白いかもしれません。




[コミュニケーション]ハイコンテクストとローコンテクストを意識する。

[コミュニケーション]ハイコンテクストとローコンテクストを意識する。

慣れない相手や環境、組織での会話でミスコミュニケーションが発生していませんか?ミスコミュニケーションに基づいて意思決定や執行を実施してしまうと莫大な時間や労力を浪費してしまいます。
従って、ミスコミュニケーションを削減することは、労働生産性を改善する上で重要な課題となってくるのではないでしょうか。
どのようにしてミスコミュニケーションを削減できるか考える際に、ハイコンテクストとローコンテクストの概念を理解しておくと、ミスコミュニケーションの前提となる状況を把握しやすくなります。

ハイコンテクストとローコンテクストは、アメリカ合衆国の文化人類学者エドワード・ホールが世界中の言語コミュニケーションの型を高文脈文化と低文脈文化に分類したことが由来となっています。
前提として、コミュニケーションにおいては、言語と文脈を用いているという点がポイントです。

ハイコンテクスト(高文脈文化、背景文脈依存度の高い状況)
言語の内容に対して、背景文脈部分に影響力を有している割合が大きい状況。コミュニケーションにおいては、聞き手側の文脈理解に依存し、共通の事前認識が前提でコミュニケーションが成立する。
極端な例としては日本語でのコミュニケーションが挙げられている。

ローコンテクスト(低文脈文化、背景文脈依存度の低い状況)
言語の内容に対して、背景文脈部分に影響力が少ない状況。コミュニケーションにおいては、発信者側の情報に依存し、共通の事前認識が少ない状態でもコミュニケーションが成立する。
極端な例としては、英語やドイツ語でのコミュニケーションが挙げられている。

上記からも分かるように、日本語でのコミュニケーションは、元々、背景文脈依存度の高いコミュニケーション方法であり、ミスコミュニケーションが起きやすい状況であることを理解しておきましょう。
また、コミュニケーションにおける発信者側は、相手との関係性や情報共有の度合いを意識した上で、背景文脈依存度を調整していく必要があります。
聞き手側も、発信者側がどの程度の背景文脈依存で言語を発信しているのか意識して相手の話を聞くと、自分自身が何を理解できていないのか整理しやすくなります。
(日本語は主語を省略することも多いので、誰が何をすべきなのかを明確にしておくことも大切です。)

文化的な側面から言及すると、アメリカ等の多種多様な人種や価値観を包容しているような地域ではハイコンテクストでコミュニケーションは成立しません。
逆に、日本のような一定の価値観が共有されている地域で、ローコンテクストコミュニケーションを連呼していると、鬱陶しがられることもあるでしょう。

筆者は異なる環境や価値観の組織の方々と接する機会が多く、意思決定や要件を定義する機会も多いため、自然とローコンテクストのコミュニケーションが多くなってきます。

日本語でのコミュニケーションはとても難しく、重要な内容を理解・共有しなければならない場合は、口頭だけでのコミュニケーションではなく、メールなどの文章でも補足するなどミスコミュニケーションを削減する工夫もできると思います。




[モチベーション]社員の「やる気」を出させるって具体的にどういうこと?

[モチベーション]社員の「やる気」を出させるって具体的にどういうこと?

組織のマネジメントにおいて、「モチベーション」という言葉がしばしば挙がりますが、懐疑的な印象を受けることもあります。
日本では、「モチベーション」とは「やる気」と捉えられていることもありますが、本来の意味では「動機」や「目的意識」と訳されます。

経営における組織マネジメントとしては、一人一人の社員の「動機」や「目的意識」に対して、適材適所のポジションや職務分担、インセンティブを供与することによって「やる気」が生み出され、より高い成果を生み出すことができると考えられます。

しかし、一人一人の社員の「動機」や「目的意識」を理解することは、マネージャーにとって非常に困難であるようにも思えます。
そんな時、社員の「動機」や「目的意識」を「マズローの欲求階層理論」に当てはめて考えてみると、社員の「動機」や「目的意識」を理解しやすくなるかもしれません。

マズローの欲求階層理論
マズローの欲求階層理論

マズローの欲求階層理論では、人間は生存欲求に始まり、自己実現欲求の達成に向かって絶えず成長していくものであるということが述べられています。

つまり、この理論を前提とするのであれば、社員の「やる気」が低下している時に、その社員がどの欲求段階で停滞しているのかを理解することで、業務環境において何が足りないのか、何を供与することができるのか具体的に考えることができます。

例えば、生存欲求・安全欲求段階にいる社員に対しては、ベーシックインカムや公平性が担保された所得のインセンティブプランが必要であるし、逆に、社会から賞賛されるような素晴らしいやりがいのある仕事は求めてはいないのかもしれません。

また、注目すべきは、それぞれの人間が成長するとともにその段階過程を乗り越えていくということです。
それぞれの段階過程を乗り越えようとしている人間を、特定の段階に留めておけば、社員は自己成長を求めて組織を去っていくかもしれません。

社員は単にサラリーを稼ぐために労働をしているのではなく、常に人間として成長過程を歩んでいるということを経営者やマネージャーは理解しなければなりません。

人財マネジメントに携わる方は、基本的な理論として利用されると重宝するかもしれません。




[Corporate Branding]「コーポレートブランディング」って何?

[Corporate Branding]「コーポレートブランディング」って何?

「コーポレートブランディング」とは企業の価値を高める活動全般のこととして認識されていますが、具体的にはどのようなことでしょうか?
「コーポレートブランディング」について考える前に、まずは企業の価値とは誰にとっての価値なのか明確に認識しておく必要があります。
企業には主に、3種類のステークホルダーが存在します。

1.顧客
2.株主・金融機関等の資金調達先
3.従業員やその家族、または採用候補者

上記に挙げた、ステークホルダーに対して価値を高めていくことが企業の価値を高めていくことであると言えます。

価値を定義するためには概念として言語化・視覚化することが重要です。
ステークホルダーに対して共通の価値を言語化・視覚化し価値観のコンセンサスを形成していく活動が「コーポレートブランディング」であると定義することができます。

ステークホルダーに対して共通の価値が言語化・視覚化できれば、リレーションシップの構築過程でのミスリードやミスマッチは限りなく少なくなるでしょう。

また、それぞれのステークホルダーとのリレーションシップを構築する独自の手段として、マーケティングやIR、リクルーティングなどの活動がありますが、これら独自の活動との相対性や関係性も考慮してコーポレートブランディングを実施していくことが重要であると言えます。

中小企業にコーポレートブランディングは必要か?という議論がありますが、当社では、企業を成長させる意思のある経営者の方には是非コーポレートブランディングに取り組んでいただきたいと考えます。

大企業のコーポレートブランディングはステークホルダーが多いため、コンセンサスの形成に莫大なコストがかかりますが、中小企業であれば比較的容易にコンセンサスを形成することができるため、大企業のコーポレートブランディングよりもコストパフォーマンスが良いと考えるからです。

「ブランド」や「ブランディング」という言葉が氾濫しているように思えますが、いわゆる「ブランドマーケティング」と「コーポレートブランディング」は明確に区別して考える必要があるでしょう。