[モチベーション]社員のモチベーションを構築する要素
マズローの欲求階層理論では、社員の成長過程に応じた欲求の変化について触れましたが、今回はハックマンとオールダムの職務特性モデルを用いて、人はどのような職務に満足を得るのか、企業の職務を設計する上での普遍的な動機付けについて言及してみたいと思います。
ハックマンとオールダムは、従業員の動機づけについて以下の3つの心理状態に基づく職務の遂行からもたらされるとしています。
1.有意性
従業員はその職務に意味があると認識していること。
2.責任
従業員はその職務に対して、自身が適切であるとみなすよう計画及び実行できる十分な裁量を持っていること。
3.フィードバック
従業員はその職務がどの程度有効であったのかどうか認識できること。
また、上記の心理状態を補完する上で以下の5つの職務性質が重要であるとしています。
1.技能多様性
職務の達成において、どれだけ多様なスキルや技能を必要とするか。
2.タスク完結性
職務プロセスを完結することにより、職務の意味を認識することができます。
3.タスク重要性
職務の重要性について認識できること。
4.自律性
意思決定の裁量を与えることで、職務に対しての責任を自覚する。
5.フィードバック
従業員はその職務がどの程度有効であったのかどうか認識できること。
特筆すべきは、上記に挙げた従業員の動機付けにおける心理状態の構築は、分業化や専門化などによる組織的な生産性向上とは矛盾している点にあります。
組織的な生産性向上と、従業員の動機付けを強める施策はバランスをとって実施することが重要です。
これは、一般的な大企業と中小企業での従業員のモチベーションの違いにも現れているようにも思えます。
ハックマンとオールダムの職務特性モデルをベースに「大企業病」という概念について分析してみるのも面白いかもしれません。