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[マーケティング]経営とマーケティング-4Pマーケティング・ミックス-

[マーケティング]経営とマーケティング-4Pマーケティング・ミックス-

以前のコーポレートブランディングの記事では、3種類のステークホルダーについて言及しました。
これに基づいて経営の主な組織的機能を定義するとすれば、経営とは顧客・株主・従業員の3種類のステークホルダーを増やすための意思決定を実施する機関ということになります。
この3種類のステークホルダーをバランス良く増やしていくことが、企業の価値を向上させることに直結するという訳です。

この中でも、今回は「顧客」を増やすための概念と手法について触れてみたいと思います。

「顧客」を創造する活動は一般的にマーケティングと定義されています。
マーケティングは企業活動における最も根底的な分野です。顧客がいない企業はありませんから、業種を問わず、例外なく、どのような企業にもマーケティングの概念が存在しています。
しかし、我が国日本では戦後の高度経済成長に伴う需要急拡大という背景もあってか、マーケティングの概念は軽視されてきたように感じることもあります。

さて、マーケティングの基礎概念を理解するために、まず押さえておきたいのが「4Pマーケティング・ミックス」です。
「4Pマーケティング・ミックス」は1960年に、ミシガン州立大学、ノートルダム大学などで教授を歴任したエドモンド・ジェローム・マッカーシー(Edmund Jerome McCarthy)が提唱した、マーケティングの最も基本的なフレームワークで、60年間近くマーケティングの基礎概念として、世界中で幅広く認知されています。
また、現代マーケティングの第一人者とも言われるフィリップ・コトラー(Philip Kotler)が提唱している多くの概念も「4Pマーケティング・ミックス」をベースとしています。

【4Pマーケティング・ミックス】
1.Product(商品)-商品、製品、サービスの策定
2.Price(価格)-商品価格の決定
3.Place(流通)-流通経路の策定、店頭をどのように展開するか、e-コマースサイト
4.Promotion(広告)-商品をどのように顧客に認知させるか

4つの「P」はマーケティングを構成する主な企業活動と定義することができ、この定義をミックスすることで、一般的には顧客が定義されます。
マーケティング・ミックスにおいて顧客を定義することをマーケティング用語で「ターゲティング」と言います。

4つの「P」には相対性があります。
例えば、Price(価格)の決定に着目してみると、Product(商品)原価及び商品開発コストやPlace(流通)コスト、Promotion(広告)コストなどもPrice(価格)の決定に少なからず影響してきます。

次は、実践的な4Pマーケティング・ミックスについても触れたいと思います。

例えば、企業の成長戦略において、PL(損益計算書)上の売上高を増やしたいと仮定すれば、4Pマーケティング・ミックス上の施策は以下を想定することができます。

◎Product(商品)を増やす-新たな4Pマーケティング・ミックスの策定。顧客は増加。
△Price(価格)の上方修正-価格は増加するが、顧客は減少する可能性がある。売上総利益率は改善する。
△Place(流通)を増やす-流通経路の増加。コスト増
○Promotion(広告)の増加-顧客及び売上高は増加。コスト増。

売上高ではなく、PL(損益計算書)上の営業利益率を増加させたいとすれば以下のような4Pマーケティング・ミックス施策を想定することができます。

◎Product(商品)を増やす-新たな4Pマーケティング・ミックスの策定。売上総利益率の高い商品を追加。
○Price(価格)の上方修正-価格は増加するが、顧客は減少する可能性がある。売上総利益率は改善する。
×Place(流通)を増やす-流通経路の増加。コスト増。営業利益率は低下。
×Promotion(広告)の増加-顧客及び売上高は増加。コスト増。営業利益率は低下。

上記に記載したように、4Pマーケティング・ミックスは企業の成長戦略とも密接に関係しています。

企業の成長において、顧客の創造に課題があると認識されている経営者の方には、まず一度、現状の4Pマーケティング・ミックスをPL(損益計算書)と照らし合わせて再認識してみることをお勧めします。